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A.消費税においての不課税取引はどのようなものがあるのでしょうか。また非課税取引との違いも教えてください。

 

Q.不課税取引とは、国外取引や対価を得ずに行う寄付や出資、単なる贈与を対象とした配当などの、国内の事業者が事業を対価を得ることによって行う資産の譲渡等と輸入取引では無いものが当てはまります。
一方で土地、商品券、有価証券などの譲渡や社会保険医療、預貯金の利子などは、国内の事業者が事業を対価を得ることによって行う資産の譲渡等ではありますが、社会政策的な配慮や課税対象になじまないことにより非課税取引に当てはまります。
またこの二つの取引は、課税売上割合(※1)の計算上での違いもあります。
それは、不課税取引は消費税の課税対象にならない取引なので、課税売上割合の分母と分子どちらにも算入しませんが、非課税取引は原則として、分母だけに参入するという点です。

(※1)課税売上割合とは、分母を課税取引や非課税取引および免税取引の合計額などの総売上高として、分子を課税取引や免税取引の合計額などの課税売上高とした時の割合になります。

A.消費税がかかる取引において非課税取引や免税取引といったものがありますが、これらの違いを教えてください。

 

Q.消費税は、原則として国内で行われる全ての取引を課税対象としていて、税金としては国内で行われるサービスや財貨の消費を対象として広く公平に負担を求める性質を持っています。
ですが、この税金としての性質と社会政策的配慮によって、課税対象とならない取引を設けました。
具体的には、有価証券・土地・商品券などの譲渡や社会保険医療、貸付金・預貯金に対する利子などの取引が該当され、これらの取引を非課税取引としています。
これとは別に、輸出類似取引(商品の輸出・国際輸送または外国に在籍する事業者へのサービス提供等)などは、一定の要件(輸出証明書を保管すること等)を満たしていれば課税対象とされない免税取引となります。
この二つの取引の違いには、仕入れ税額を控除が可能かどうかという事にあります。
非課税取引では、そのために行った仕入れについて消費税が課税されないため、仕入れの際に発生する消費税額を控除できません。
一方、免税取引では、輸出や輸出類似取引は課税資産の譲渡等に該当しますが、その取引のために行った仕入れについて、仕入れの際に発生する消費税額を控除することができ、売り上げから消費税が免除されることとなります。

Q.消費税の課税対象とならない取引について教えてください。

 

A.まず原則として、消費税の課税対象となるのは、国内での「輸入の取引」と「事業において事業者が対価を得て行う資産の譲渡および貸付や役務提供」となっています。
またこれらの取引においても非課税の取引と認められるものもあり、それは社会政策的配慮や消費に負担がかかる税という性格によるものです。
非課税になる取引は以下になります。

【A】借地権等の土地の上に存在する権利を含んだ土地などの譲渡や貸付は非課税取引となります。
しかし、この場合でも非課税取引とされないものが、駐車場などの施設の利用による土地の使用や土地の貸し付けが一ヶ月に満たないものです。

【B】登録国際、抵当証券、金銭債権、合名会社等の社員の持ち分、株券や国債などの有価証券などの譲渡は非課税となります。
しかし、ゴルフの会員権などが出資・預託・株式によって譲渡される場合は非課税となりません。

【C】物品切手(プリペイドカードや商品券)などの譲渡

【D】印紙を売り渡す場所においての印紙の譲渡や地方公共団体などが行う証紙の譲渡、また郵便局・郵便事業株式会社などが取引する郵便切手類の譲渡

【E】支払いの手段として、小切手や約束手形、銀行券、小額紙幣、政府紙幣や硬貨などで行う譲渡は非課税です。
しかし、これらにおいて収集を目的とする譲渡の際は非課税取引とみなされません。

【F】外国為替業務に関連した役務の提供

【G】預貯金や貸付金の利子または保険料(公社債投資信託や合同運用信託の信託報酬、保険料、保険料に位置づけられる共済掛け金や信用保証料等)を対価とした役務の提供は非課税となります。

【H】国や地方公共団体、公益・公共法人などが法令に従って行う一定の事務(登記・登録・免許・特許・検査・検定・許可・試験・公文書の交付・証明等)に関わる役務の提供において、法令に従って徴収される手数料は非課税となります。

【I】社会保険医療(国民健康保険法や健康保険法等に基づいた医療または、自賠責保険や労災保険の対象に当てはまる医療等)の給付は非課税取引となります。
しかし、市販の医薬品の購入や差額ベッド代、美容整形代については非課税取引とみなされません。

【J】介護保険法によって保険の給付対象となる介護保険サービス(施設サービスや居宅サービス等)の提供については非課税となります。
しかし、サービスを利用する人の意思によって選択した送迎や特別な居室の提供等の対価については非課税取引とみなされません。

【K】社会福祉事業(社会福祉法による第一・第二社会福祉事業や、更生保護事業法における更生保護事業等)によるサービスの提供

【L】火葬・埋葬の料金を対価とした役務の提供

【M】助産の際に、医師や助産師等が行うサービスの提供

【N】学校教育法に規定された学校(専修学校や修業年限を1年以上等の一定の要件を満たした各種学校)の授業料・入学金・入学検定料・施設設備費・在学証明手数料は非課税となります。

【O】教科用の図書の譲渡

【P】人の居住用として提供することが明らかな契約における住宅の貸し付けは非課税取引となります。
しかし、貸付の期間が1ヶ月未満等の場合は非課税取引とはみなされません。

【R】身体障碍者用の物品(車椅子・人口喉頭・点字器・義眼・義肢・盲人用の安全杖・改造自動車等)の譲渡、貸付、制作の請負、修理のうち、一定のものは非課税となります。

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