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免税事業者が事業を相続で継承した時、納税の義務はどのようになるのでしょうか。

 

免税事業者の相続人(相続日の含まれる年の基準となる期間に事業を営んでいない人も含まれます。)が、相続で被相続人の事業を承継した時(相続で被相続人の営んでいた事業のすべて・一部を引き続けて行うために、財産の一部や全てを承継した時)、相続人の納税の義務は下記の用になります。

〈1〉相続の当該年
1.相続がされた年の基準になる期間の被相続人の課税売上高が10,000,000円を超過するときは、相続された日の次の日から当該年の12月31日までの期間は、納税の義務の免除がされません。
2.相続がされた年の基準になる期間の被相続人の課税売上高が10,000,000円以下になるときは、相続された年の納税の義務は免れられます。
しかし、相続人が課税事業者を選んている場合は納税の義務は免れられません。
〈2〉相続があった年の次の年や翌々年
1.相続がされた年の次の年・翌々年の基準となる期間に相続人の課税売上高と被相続人の課税売上高との総計が10,000,000円を超過するときは、相続された年の次の年・翌々年のの納税の義務は免れられません。
2.相続がされた年の次の年・翌々年の基準となる期間に相続人の課税売上高と被相続人の課税売上高との総計が10,000,000円を超過するときは、相続された年の次の年・翌々年のの納税の義務が免れられます。
しかし、相続人が課税事業者を選んている場合は納税の義務は免れられません。

*被相続人が出した簡易課税選択届出書、課税期間特例選択等届出書、課税事業者選択届出書の効力は、被相続人の事業を相続で引き継いだ相続人にはありません。なので、相続人がこのような定めの適用対象になろうとするときは、これらの届出書を新たに出す必要があります。

消費者や免税事業者からの仕入れを行った時、消費税はどのように課税されるのでしょうか。

 

消費税の額数は、課税期間内の課税売上高に0.04を乗じた額数から、課税仕入れ高に4/105を乗じた額数を控除して計算されます。
この時の課税仕入れは、運送などのサービスの購入や事務用品・原材料の購入、建物・機械などの事業用の資産の賃借や購入、事業の為の購入などで棚卸資産の仕入れなどを言います。
このことから、事業者でない消費者からの仕入れや免税事業者からの仕入れは、仕入れ税額控除の対象になります。
この消費者や免税事業者からのケースでも、その対価の額数は消費税・地方消費税が入った額数になるので、その額数の4/105相当の額数は消費税の額数として仕入れ税額の控除をすることが可能です。
具体例を挙げると、免税事業者の下請け業者に、外注費の1,000,000円を支出したとします。この1,000,000円の支払いには、その4/105の相当額数である38095円の消費税の額数が入っているものとし、仕入れ税額の控除ができます。これは、事業用の器具や建物などを事業者ではない人からの賃借・購入の時も同様です。

免税事業者になった場合は、仕入れ税額の還付が受けられないと聞きました。仕入れ税額の還付を受けるためには、どうすればいいのでしょうか。

 

サービスの提供をされたり、商品の仕入れをしたりして支出した対価には、消費税及び地方消費税が入っています。
この仕入れ代金の額数に入っている消費税・地方消費税の額数は、売上に関する消費税・地方消費税の額数から差し引くことが可能となっています。
この時、差し引いても残りの額数がある場合は、確定申告をすることで還付されるようになります。
しかし、その仕入れの代金に入っている消費税・地方消費税の還付を貰うための申告書が出せる人は、下記のような人です。
1.課税事業者になることを選んだ人
2.前々年(基準期間)に発生した課税売上高が10,000,000円を超過する個人の事業者(課税事業者):2013年1月1日から始まる年に関しては、その課税の基準期間の課税売上高が10,000,000円以下になっても特定の期間(当該年の前年の1月1日~6月30日まで)の課税売上高が10,000,000円を超過した時は、当該の課税期間から課税事業者になります。
3.基準期間のない法人の中で、対象の事業年度が始まった日の資本金額・出資金額が10,000,000円以上になる法人
4.前々の事業年度(基準期間)に発生した課税売上高が、10,000,000円を超過する法人(課税事業者):2013年1月1日から始まる事業年度に関しては、その課税の基準期間の課税売上高が10,000,000円以下になっても特定の期間(当該の事業年度の前の事業年度の最初の日から6か月までの期間)の課税売上高が10,000,000円を超過した時は、当該の課税期間から課税事業者になります。

これらのように、還付を貰うことが可能な人は課税事業者と、課税事業者になることを選んだ事業者に限られていることから、免税事業者は仕入れ代金に入っている消費税・地方消費税の還付を貰うことができないので、課税事業者を選んでから還付を受けるという方法に従うしかありません。

課税事業者を選ぶことで免税事業者ではなくなりました。この場合の消費税の課税の仕方について教えて下さい。

 

免税事業者が、新しく課税事業者になる時に、課税事業者になる日の前の日に持っている棚卸資産の中で、納税の義務が免れられていた期間に仕入れを行った棚卸資産がある時は、その棚卸資産に関する消費税の額数を、課税事業者になった課税期間の仕入れに関する消費税の額数の計算の規範になる課税仕入れなどの税額であるとみなし、仕入れ税額の控除ができるようになります。
この対象に含まれる棚卸資産には、貯蔵中の消耗品、原材料、仕掛け品、半製品、製品、商品などで、現在持っているものになります。
なお、仕入れ課税の控除対象になれる棚卸資産の消費税の額数の計算は、対象の棚卸資産の取得費用の額数に、4/105を乗じた額数です。
この時の棚卸資産の取得費の額数には、対象の棚卸資産の購入金額以外にも、荷造費用や引き取り運賃、そのほかにこれを買うために必要であった費用の額数などが入ります。
更に、この制度を適用するためには、対象の棚卸資産の明細を記した書類を、作成した日の含まれる課税期間の最後の日の次の日から2カ月が過ぎる日から、7年間にわたって保存する義務があります。
しかし、これとは逆に、課税事業者が免税事業者になった時には、課税事業者としての課税期間の最後の日に持っている棚卸資産の中でその課税期間中に仕入れを行った棚卸資産に関する消費税額は、その課税の期間の仕入れに関する消費税額数の計算の規範になる課税仕入れなどの税額には入らないことになっています。
*「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」で、消費税率を引き上げるなどの消費税法の改正がされています。

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